基本姿勢

 本マニュアルは特定非営利活動法人小山そよかぜにおける業務を行う上で、特に注意を要する事項についてまとめたものです。従って、あらゆる事象を網羅するものではなく、あくまでも基本的な方向性を示したものです。

 ここに触れられていない問題や、自分ひとりでは解決の難しい複雑な問題については、管理者などに相談するよう心がけてください。

基本原則

  • 私たちは特定非営利活動法人小山そよかぜの担う社会的責任と公共的使命を認識し、健全な業務運営を行います。
  • 私たちは法令の文言はもちろん、その精神まで遵守していきます。
  • 私たちは自己責任原則を基本として、公正公平な事業運営を展開します。
  • 私たちはご利用者の安全と安心を守るとともに、自立支援とご利用者本位を尊重し、地域福祉の健全な発展に貢献します。
  • 私たちは、ご利用者はもちろんのこと、その他全ての関係者の人格を尊重し、地域福祉の健全な発展に貢献します。
  • 私たちは法人が自己の利益だけを追求する存在でないことを認識します。
  • 私たちは利益と倫理が相反する場合は、迷わず倫理を選択致します。
  • 私たちは地域社会に貢献し、地域の将来により豊かで公正な社会を残すよう尽力します。
  • 私たちは難解な倫理問題に直面したとき、誰もが満足できるような解決策を積極的に創造してゆきます。

法令や法令遵守規定・マニュアルに違反した場合

1.(違反時の罰則)

 違反行為に対しては、就業規則に基づいて懲戒解雇を含む措置をとる場合があります。

2.(就業時誓約書)

 職員は、法令ならびに職場内の規約を遵守する旨の誓約書を就業時に提出することによって雇用契約が開始されます。

ご利用者及び取引相手に対する小山そよかぜの行動規範

1.(守秘義務)

 職員は職務を通じて知り得た情報を、本人や家族の同意なしに正当な理由なく他に漏らしてはなりません。なお、この守秘義務は退職等などによって職場を離れた場合においても継続します。

2.(説明義務・適合性の原則)

 サービスを提供するにあたって、職員はご利用者にとっての必要性なども考慮しながら、本当に必要なサービスを提供することを目的とした説明を行います。時にはご利用者にあったサービス提供のできる他事業所を紹介する決断も必要です。

3.(リスクの説明)

 職員はサービスを説明する場合、あらゆるリスクを想定した上で説明を行います。

 また、法人の責任範囲についても曖昧にせず、ご利用者やそのご家族の誤解を招くことのないよう充分配慮し、可能な限り書面をもって説明し、必要に応じて記録を残します。

4.(誠実な態度)

 ご利用者やご家族に説明や相談をする場合は、たとえ一職員であっても法人を代表しての発言であることを認識し、無責任な回答を行ってはなりません。その場においてすぐに回答できない場合にも「私には関係のない他の人に聞いて欲しい」といった態度をとることなく、誠実に調査した上で回答するよう心がけます。

5.(ご利用者との癒着の禁止)

 職員はいかなる行為であれ、ご利用者と法人との立場の違いをあいまいにするような依頼に応じてはなりません。ご利用者本位とは特定のご利用者の要望依頼を全て受け入れることではないからです。

6.(情実取引の排除)

 職員は縁故者や友人、その他何らかの個人的利害関係のあるご利用者や取引先が現れたとき、その旨を管理者に報告し、情実の交えた関係に傾かないよう考慮し、必要に応じて管理者の指示を受けなければなりません。

7.(公正な取引先選定)

 職員は、品質、サービスの内容、価格、過去の実績、信頼度等を総合的に判断し、それに基づいて取引先を決定しなければなりません。そのため、納入業者等から金品や接待を受けてはなりません。また、必要に応じて入札、複数社からの相見積りを取るなどして措置をとり、会議においてその取引の正当性の説明を行います。

8.(リベート要求の禁止)

 自己の立場を利用して、たとえ間接的な表現であっても取引先に金品や接待を求めてはなりません。なお、許容範囲にあると思われる行為でも、それが第三者の目には不自然な行為に映る場合もありますので、注意を怠らないように配慮します。

福祉事業者としての行動範囲

1.(社会福祉法、障害者総合支援法、介護保険法、児童福祉法の遵守)

 福祉事業を行うものとして社会福祉法、障害者総合支援法、介護保険法、児童福祉法の遵守は当然の義務であり、法の精神を逸脱した事業運営を行うことは、法人としての存在を損ねかねないものとして厳に慎まなければなりません。

2.(利益追求の制限)

 従業者の幸福や法人の存続のために利益を上げることは必要ですが、私たち福祉事業は強引な方法によって利益を追求するものではありません。

3.(人員配置基準の遵守)

 法人は職員に欠員が出た場合は、早めに補充を行い、あるいはあらかじめ欠員に備える対策をとるなど強い組織作りを考えます。不足な事態が生じた場合は関係諸機関などに相談の上、定員の変更や減算などの対策を考えます。

4.(資格の確認)

 事務局長は、職員の資格証を就業時に原本確認の上、コピーを保存します。また、運転免許証などの更新期限のある免許については、毎年定期的にチェックをする体制を構築します。

5.(定員の遵守)

 私たちは、あらかじめ定められた基準を上回る定員を受けることはしません。ただし、虐待や緊急災害時など市町村から措置命令が下されたときは、法の定めるルールに従うものとします。

6.(公平な受け入れ)

 ご利用者を受け入れる場合は、定められた基準に従って平等な受け入れを行うよう心がけます。また、ご利用者が望んでも受け入れができないケース(定員遵守のため、受け入れ難い重篤な症状の保持者など)については、誤解のないよう誠意を持って説明を行います。

7.(設備基準の遵守)

 設備基準の遵守はもちろんのこと、設備の破損・故障の有無を点検し、ご利用者が安全で快適な生活ができるよう改善します。

8.(消防法の遵守)

 避難経路に可燃物や障害物が置かれていないか日常的に確認します。また、年1回以上の防火訓練を事業計画に記載し実施するとともに、非常連絡網を整備して緊急事態に備えます。なお、消防法上の計画や点検は防火管理者が中心になって行います。

9.(労働者の保護)

 私たち福祉事業者は、労働者の権利を奪うような行為や労働者の犠牲の下に福祉を推進するような行為、命令があってはなりません。また、職務を離れた状況における職員の行動は、公序良俗に反せず社会人の常識の範囲にある限り法人が関与すべきものではありません。

10.(他事業所との連携と独立性)

 事業運営する上で、他の事業所との連携、協力体制をとることは、ご利用者にとって有益な場合があります。ただし、連携を重視するあまり、特定の事業所に必要以上の便宣を図り、その他の事業所やご利用者の利用を制限することは許されません。連携を図ったとしても事業所としての運営は独立性を保ち、自主の公正な判断において法令遵守に務めるものとします。

福祉事業者としての行動規範

1.(身体拘束の禁止)

 福祉事業者として、人間として、身体拘束は一切認めることはできません。拘束は直接身体を縛ることだけでなく、行動範囲を狭めること、過剰な投薬をすること、さらには制約的な命令をすることまでもが含まれます。やむを得ず拘束が必要と思われるときは、緊急性、非代替生、一時性を確認し、ご家族の了承を得た上で期限を決めて拘束を実施することになります。ただし、「身体拘束は人としての尊厳を害する行為であることを」忘れてはいけません。

2.(虐待の防止と通報の義務)

 虐待が疑われる証拠を発見した場合は、状況を精査の上、直ちに市町村にその事実を報告しなければなりません。事実を知った上で通報を怠ることは、虐待に加担することに等しい罰則が待っています。虐待発見時の通報は、私たち福祉事業者の義務です。

3.(交通法規の遵守)

 私たちは業務上、あるいは業務に就くために車両を運転することの多い職種です。交通法規を守り、運転マナーを身につけるのは社会人としての常識であると心がけましょう。特に飲酒運転事故に対しては懲戒免職などの厳しい処罰を受けることを知っておきましょう。

4.(法人財産の尊重)

 全ての職員は、法人の財産を尊重しなければなりません。法人の商物を持ち帰る行為などは言うまでもなく、業務に関係のない電話の使用、備品や燃料、電気、水道、ガスの無駄遣い、必要のない物品の大量購入などは厳に戒めて下さい。

5.(公正な経理処理)

 職員は、旅費、交通費、残業請求、有給休暇申請などを正確に行わなければなりません。経費については実際にかかった費用を領収書と引き換えに精算するのが原則です。なお、精算方法の不明な点は事務局長に必ず相談して下さい。

6.(記録・マニュアル類の整備)

 事業を行う者として各種の記録を整備し、また職員間の伝達に関しても常に配慮し、情報の共有化に心がけましょう。また、マニュアル類は少なくとも年1回は見直し、法との実態に合わせた内容にしておきましょう。

7.(内部ルールの確認)

 職員は、内部ルールの変化に常に気配りし、配布物、回覧、メール、ケース記録等の確認をする習慣を身につけましょう。ルールの変更の伝達ミスは、ご利用者に重大な危険をもたらすことがあります。ルールに合わない事象が生じたら、問題を充分に協議してルールの迅速な変更を行い、即応できる体制が必要です。

福祉事業者としての行動規範

1.(差別の禁止)

 職員の雇用や処遇あたっては、各人の仕事や業績に従って平等に評価しなければなりません。また、性別、国籍、思想、宗教、身体上の特徴、その他個人的な特徴に基づいた差別はいかなる場合でも行ってはいけません。また、事業所内においては、人権擁護を重点事項として、全ての差別を撤廃していくよう取り組みます。

2.(セクハラ、パワハラの禁止)

 いかなる場合においても、自分の地位や立場などによる権力勾配を利用しての性的な関係の強要は許されません。他者が嫌悪感を抱く発言を繰り返すことや、職場の環境を悪化させるような行為、発言も禁止します。また、同様に上位の職員が下位の職員に対して、精神的な圧力をかけたり、不平等な労働を強要したりすることも許されません。

3.(相互監視と保護の原則)

 法令遵守のために立ち上がった職員の相談や報告に対しては、充分な保護措置がとられることが大原則です。制約や報復、揉み消しなどの行為が行われないよう法人は充分に配慮しなければなりません。また、職員は法令遵守の不履行がなされていると感じた場面においては、必要に応じて相手にアドバイスを行うよう心がけましょう。

4.(不透明な習慣の排除)

 当法人においては、部下から上司への金品の提供は、中元・歳暮の類を含め禁止します。ただし、冠婚葬祭に関しては、常識の範囲でこれを認めます。

5.(理念の追求:利用者本位であること)

 法人として一丸になるためには、法人の理念を職員全員で理解し、ご利用者本位の処遇を提供することを忘れてはなりません。また、職員は自分の行っていることが理念に添っているか、本人不在の支援に陥っていないか自問して下さい。

6.(職場の雰囲気づくり)

 職場の良い雰囲気こそ、法令遵守のできる環境を生み出します。職種が異なったとしても、「すべての職員はご利用者のために業務を行っていること」を互いに知解しましょう。また、職場の雰囲気はみんなが作り上げるべきものであり、それが理念追求の一番の近道です。

セルフチェック項目

 社会は私たちに責任のある行動を求めていますが、このマニュアルには全てのことが記載されているわけではありません。日常の業務の中で判断に迷ったときは、以下のチェック項目として自問自答してみて下さい。

 あなたのその行動は、

  • 利用者の期待に反していませんか?
  • 社会の定めるルールに反していませんか?
  • 法人の定める理念に反していませんか?
  • 自分の良心に反していませんか?
  • 福祉の心に反していませんか?
  • 世の中の尺度で見て、恥ずべきものではありませんか?
  • 問題があると思っていても、他の人がやっている、あるいは以前からやっているという理由でなんとなく継続していませんか?

改正履歴

 このマニュアルは令和4年10月1日から施行する。